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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

月西渡

万葉集 大和のこと 文学のこと
「月西渡」・・・

こんなふうに書かれていても多くの方は「?」とお思いになるであろう。

東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡

と書けばどうであろう?・・・

実は・・・ひらがなのなかった時代・・・万葉集のその時代、柿本人麻呂

東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ

という短歌は、柿本人麻呂のよって(諸説あるが私はこう信じている)上記のように表記されている。夜空を渡る月読が一夜にわたる航海を終え、今まさに西の地平に沈もうとしたその瞬間をとらえた言葉がこの「月西渡(月傾きぬ)」だ。そしてその時、東の空は今まさに日が昇ろうとする・・・そんな瞬間のはずだ。

そして今日・・・かつて人麻呂がこの歌を詠んだ旧暦の11月17日からちょうどひと月目。出勤しようとして家を出て東の空を拝んだ私は、ふと予感した。

東の空はまさに「野炎 立所見而(野にかぎろひの立つ見えて)」といった風情であった。件の11月17日ではなく旧暦12月17日である今日・・・月の位置は・・・?

Photo0009

予感通りだ。本来ならば東の空に出るはずの、巨大な真円の月が西の空にぽっかりと浮かび地平へと歩みを進めていた。その場で写真におさめればよかったのだが、近所の家の屋根がちょいと邪魔をする。通勤がてら少々車を走らせた場所で車を止める・・・

鳥居は先日紹介した大神神社の大鳥居。その直下にある奇妙な形をした屋根はわが町の市立体育館だ。私の肉眼にはもっと巨大に見えた月ではあったが・・・そこには心理的な作用が働いていたからだろう。実際に写真にしてみると・・・こんなものだ。

まあ・・・私の撮影技術ならこんなものかと思うしかないだろう。責めは月にはない。

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