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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

山辺の道・・・長岳寺

年が明けて二つ目の記事、ふと思い出したことがあった。一昨年の4月から始めた山辺の道についての連続記事が長いこと途絶えていることだ。最後にこのテーマで書いたのが昨年の2月9日の崇神天皇陵についてのものであるから、かれこれ1年近く途絶えていたことになる。どうせそんなに期待していらっしゃる方もおられないのだからこのまま知らぬふりをしてうっちゃっておいても構わないのだろうけれど、やはりその終着地、石上(イソノカミ)の地にたどり着くまではどうも落ち着きが悪い。とぼとぼ・・・ぽつりぽつりとではあっても、なんとか最後までは辿りつきたいと思っている。

ということで、崇神天皇陵の次のスポットといえば・・・ 釜の口山 長岳寺 ・・・である。

国道169号線に面した崇神天皇陵から、その国道沿いに北にほんの200m。山側に(すなわち東に)入るきれいに整備された道がある。その道を歩いてこれまた200m、道は北へと大きく曲がる。ちょいときつい傾斜だ。

おっと忘れていた・・・朝がた(そう9時頃かな)桜井の駅を出発したとしたら、ここいら辺りで昼食時分だ。山辺の道はその名の通り山辺をくねくねとはしる古道である故、途中ほとんど昼食を購入できるようなお店はないが、この東へと向かうこの道への曲がり際に一軒、コンビニがある。ここでおにぎりでも買っておくのがいいだろう。そして上にのべたように歩いて行くと右手に見えるのは天理市トレイルセンター。長岳寺の入り口、大門のほど近いこの施設は、かの黒塚古墳から発掘されたところの三角縁神獣鏡やその石室の模型が展示されているほか、山辺の道の散策に必要な資料が揃えられている。冷暖房完備、お茶も飲めるようになっている故、ここでさっき買ったおにぎりを頬張れば良い。少々懐があたたかければ、坂道の登り際に蕎麦屋があるので、そこで蕎麦を手繰るのも良い。

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さて、長岳寺は、824年、淳和天皇の命により、弘法太子が大和神社の神宮寺として創建したのがその始まりである。盛時には塔中四十八を数えた大寺であり、今もなお残るその建造物・仏像の幾つかには、重要文化財として今後大切に守られてゆくべきものが少なくない。

トレイルセンターを後にして大門を抜ける。細い参道は両脇に大きなツツジの木が茂っている。季節になればさぞや見事な色彩が、この道を飾ることであろう。 歩くこと、ほんの数分、庫裏が見えてくる。

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その内側をのぞいてみる。

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地蔵院だ。

1630年の建立になるこの建物は重要文化財。季節には、ここで素麺や、煮麺をいただくことが出来る。 そしてこの地蔵院の中核になる建物が地蔵院本堂。二間四方のこの建物には、延命地蔵様がいらっしゃる。そんな有り難いお地蔵様がいらっしゃるような場所だからして撮影はちょいと憚られた。申し訳はないが、私だけがお祈りすることになってしまった。 けれども、皆さんの代わりにその健康をお祈りしておいたのでご安心の程を・・・ さて・・・本堂に赴くことにしよう・・・・長岳寺の本堂にお参りしようとすれば、まずこの門をくぐらねばならない。

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平安時代弘法大師の創建当時の唯一の建造物「楼門」だ。もちろん、これは重要文化財。その荘厳な造形が、これから御仏のもとに参ろうとする我々を圧倒する。勇気を持って威容を誇る楼門をくぐり抜ける。

・・・と、その正面には、普通なら本堂・・・あるいは金堂が在るはず・・・けれども見えるのは・・・ P1020230

こんな石段だ。 この、石段に向かって右手には池、そして左手に本堂がある。 P1020229

ここにいらっしゃるのは阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩(1151)多聞天、増長天(藤原時代)・・・ そして、最も有名なのが江戸時代初期の作になるが狩野山楽筆の「大地獄絵」だ。縦4m、横11mに及ぶ画面には、三途の川・八代地獄・餓鬼道・畜生道修羅道・十王裁判図などが描かれている。毎年、10月23日から11月30日まで本堂にはこの図が掛けられ、住職の絵解きが催されており、その巧妙な語り口は広く知られている。 本堂に登り、御仏に両の手を合わせる。残念ながら地獄絵図は、その時期ではなかった故拝ませて頂くことは出来なかった。

・・・・いや、この寺にはまだまだ参らねばならない仏様がもっともっといらっしゃる。そちらの方にも足を運ばねば、申し訳ない。けれども、この本堂以外にこの長岳寺の境内に残っているのは大師堂 のみ。1645年にに建立されたと伝わるこの建物には、この寺を開基した弘法大師像が安置されているだけだ。

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あとは我々のような参拝者が足を休め、喉を潤すためのお茶所。 では、どこに仏様が・・・・ 案ずることはない。本堂を降りて左手を見れば、すぐに先ずお一人目の仏様が・・・ P1020234

不動明王だ。 ・・・それにしても、何と親しみやすいお不動さんであることか。思わず笑みがこみ上げてくる。このお不動さんの横にある石段(上の写真)を上れば、先に述べた大師堂が左手にある。石段の正面にはお茶所があり、その横のところから上へと上がる道がある。

その先にあるものは、古墳の石材を利用した、その高さが2mにもおよぶ弥勒大石棺仏だ。ちょいと山の方に入って行かなければ、この仏様にはお会いできないので、今日はこの仏様にお祈りするのはちょいと割愛。 上には登らず、お茶所の前の小径をそのまままっすぐに進んで行く。境内にある放生池をぐるりと巡る散歩道になっている。

そして、ここから先が・・・仏の道だ。

もうあとは私の言葉はもう不要だ。ただ、この優しいお顔をした仏様達のお姿を拝見しているだけで何かしらを感じることが出来るはずだ。この道に居並ぶ仏様達のお姿をお示しして、この度の私の長岳寺での報告を閉じることにする。

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<追記>

ひょっとしたら今日の記事を読んで、「おや・・・この文章はどこかで・・・?」と思われた方がいらっしゃるかもしれない。

その記憶は、実に正しい。

実は今回の記事は私得意のおきて破りで、以前書いた記事の焼き直しである。さらに正確に言えば、焼き直しどころかほとんどがそのままの文章である。ただ、今回の連続記事のごとく桜井から山辺の道を北上すると、どうしてもここで長岳寺について触れなければならない。かといって、同じ場所についてまた稿を起こすのも面倒くさい(笑)。

ということで、前置きを少々加え、この連続記事の流れを途絶えさせないように若干の部分を改めるだけで、この古寺を紹介することとした。

諒とせられよ・・・