大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

薩摩行・・・3

11・08、「はやとの風」を降りた私が、次に乗るべき列車は11:49発。あと40分ほどはこの吉松の駅で時間をつぶさなければならない。吉松の駅は・・・

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かくも、鄙びた駅・・最近はやりの「駅ナカ」なんてものは期待できない・・・

ということで私は改札を抜け、駅の外に出る。無人駅ではないのだが、改札には誰も出てこない。けれどもそこから見えた駅前の様子はコーヒーでも飲んで時間をつぶすような場所もない。・・・が、その駅前の広場に出て左の方に目をやると

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かつて、男の子であった方ならだれでも一度は心躍らせたであろう鋼鉄の構築物が展示してあった。今は白髪の目立つ私だって今から?年前は、夢多き男の子であったのだから、この巨大な鋼鉄の構築物に心惹かれないわけがない。ただ私の鉄道に関する知識の蓄積は甚だ貧弱である。この位置から見ただけではこの鋼鉄の構築物が、いったいなんという名のものなのかは判断できない。従って私はその正面に回り、その名を確かめた。

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C55形蒸気機関車である。愛称は「シゴゴ」というらしい。この鋼鉄の構築物は質素な塗装とあいまってその無骨な外形までもがそのなんともいえぬ存在感を演出している。

さて、しばしの間男の子に戻っていたら、いつのまにか駅には次に私が乗るべき列車が到着していたようである。

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普通列車「しんぺい2号」である。ヘッドマークには「いさぶろう・しんぺい」とあるが、吉松行きの下りを「いさぶろう」、人吉行きの上りを「しんぺい」として運転しているらしい。何ともややこしい話である。

その愛称は、「いさぶろう」が人吉駅 - 吉松駅間が建設された当時、逓信大臣であった山縣伊三郎、「しんぺい」が同区間開業当時の鉄道院総裁であった後藤新平の名をいただいたものだという。これから私が向かう人吉との間には矢全長2,096mの矢岳トンネルがあるが、その人吉側の入口に山縣が揮毫するところの「天険若夷」、吉松方の入り口に後藤が揮毫することろの「引重致遠」の石額が埋め込まれている。もちろんこの両者はこのトンネル入り口の石額のためにこの文字を書いたわけではないが、それぞれ者の名を冠する列車が揮毫した扁額に向かって走る形となる。

さて時間だ。11:49・・・

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はやとの風」のさわやかな内装とは打って変わって、ぐっと落ち着いた感じのシック感じになっている。これまた、気持ちよくビールが飲めそうだ。

静かに・・・静かに・・・「しんぺい」はホームから遠ざかり始めた。

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