大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

山辺の道一日旅行1

昨年も同じ頃、この題名で駄文を披露した。

http://soramitu.net/zakki/archives/1588

http://soramitu.net/zakki/archives/1628

http://soramitu.net/zakki/archives/1636

http://soramitu.net/zakki/archives/1648

昨年は桜井駅から、初瀬川を渡り、金屋の家並みを抜けて、大神神社。そして檜原神社まで北上する道のりであったが、今年は天理、石上神社から南に下り長岳寺から西に向かい、黒塚古墳、大和(オヤマト)神社に向かうというものであった。

集合は天理駅。天理は私が大学時代の4年間を過ごした街、この駅から何度電車に乗り降りしたことか・・・

駅では可愛らしいお二人が迎えてくれた。

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男の子は「てくちゃん」、女の子は「りんちゃん」。今日流行の町のマスコットキャラクターだ。リンク先にもあるように「てくちゃん」は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)をイメージし平成8年に誕生したもの。「りんちゃん」はその妃弟橘媛命(オトタチバナノヒメノミコト)をイメージし平成16年に誕生した。

集合時間までにはかなり早く天理駅に着いた私は、熊のようにうろうろしながら今日の一日をともに過ごす人々を待つ。一人二人・・・それらしい身なりをした方々が改札から出てくる。昨年の一日旅行でお目にかかった方の御顔も・・・

そうしているうちにこの一日旅行を主催する研究団体(私もその団体の所属ではあるが、その名簿に名を連ねているだけの存在である)の方々も姿をお店になり、いよいよ徒歩旅行の始まりである。昨夜来の雨が残り、徒歩旅行には決してむいた一日ではなかったが、30人前後の一隊が最初の目的地である石上神宮を目指す。

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まずは天理本通り。数多くの食料品店、飲食店、きわめて安価な衣料品店(安い・・・とにかく安い)・・・そして、宗教都市でもあるこの町を特徴づける神具店などで構成されたアーケード街は1㎞教東進し、この街の名称ともなった宗教団体の総本山(彼らはそれをご本部と呼ぶ)の門前へと出る。石上神宮まではあと少しである。

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石上神宮に到着する前にまず立ち寄ったのが厳島神社。例によって祭神は市杵嶋姫命(イチキシマヒメノミコト)。本当に何の変哲もない控えめな御社である。この場所、かつて良因寺と呼ばれるお寺があった跡地とされ、現在写真の御社の横に、お薬師様を祀る御堂が現存する(そんなに古いものではない)のみであるが、周辺に堂の前、堂の後などの地名が残っているのは、その存在の名残であろう。

いその神といふてらにまうてて、日のくれにけれは、夜あけてまかりかへらむとてととまりて、この寺に遍照侍りと人のつけ侍りけれは、ものいひ心見むとていひ侍りける。   いはのうへに 旅ねをすれば いとさむし 苔の衣を 我にかさなん(小野小町

返し

夜をそむく 苔の衣は ただひとへ かさねはうとし いざふたりねん(遍照)

後撰集

詞書にある「いその神といふてら」とは、この良因寺。平安京から初瀬にお参りをする貴人たちは多く山辺の道を利用したと思われるが、その道すがら、相模、伊勢、菅原孝標の娘といった名だたる歌人達も立ち寄ったらしい。また上に示した歌によれば、小野小町もこの寺に立ち寄り、居住していた遍照と歌を交わしたこともうかがい知れる。

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「いその神といふてら」を後にし、布留の流れを渡れば、次に向かうのは石上神宮だ。

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