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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

宇太水分神社へ行く・・・上

国道165号線は桜井市外山(トビ)のあたりで二股の分かれる。向かって左、すなわち北東に向かう道がそのまま165号線、向かって右、南東に延びるのが国道166号線である。これから車を走らせようとするのはこの166号線である。外山で165号線から分かれた後しばらくは南東を向いて走っていたこの道は忍阪(今、地元ではオッサカという、古くはオシサカ・オサカ)を抜け、下り尾(サガリオ)、粟原(オウバラ、古くはアハハラ)と進む。

忍阪はおそらくは日本で最も早い時期に仮名表記された地名で、443年または503年のものとされる和歌山は橋本市にある隅田八幡神社所蔵の人物画像鏡の銘文に「意柴沙加(オシサカ)」と記されている。このことから、この地が古くは「オシサカ」と呼ばれていたことが分かる・・・なんてことを書きはじめると、目的地にはいつまでたっても辿りつけない。この周辺のことについてはいずれまたってことで今日は先を急ぐ。

道はすでに急峻な峠道に差し掛かっている。女寄(ミヨリ)峠である。

「女」という字を「ミ」と訓むことは滅多にないことなのでこれを「メヨリ」と訓む人もいるようだが、道路標識などには「miyori」とも表記されており、「ミヨリ」と訓むのが正しいのだろう。我らが祖国「豊葦原の瑞穂の国」をお生みくださった伊邪那岐(イザナキ)・伊邪那美(イザナミ)の二神を岐美(キミ)二神と呼ぶことがあるが、その場合「キ」・「ミ」はそれぞれの性別を示しており、「ミ」は「女」を意味していること、翁(オキナ)・嫗(オミナ)という二つの語においても「キ」・「ミ」が性別を示し、ここでも「ミ」が「女」を意味していることから考えれば、女寄を「ミヨリ」と訓むことにさして不自然はない。

ところで上に「急峻な」と書いたが、この女寄峠は奈良県内ではちょいと知られた峠道で、少しググっただけでいくつもの自転車乗りの方々の書いたものにお目にかかることができる。それほど、自転車乗りの方々には気にかかる坂道なのであろう。最近でこそ、その途中にトンネルが出来、その頂点まで上らずに、この急な峠をショートカット出来るようになったが、それでも忍阪からこのトンネルまで平均斜度6.4%の道が3km強は続く。もちろんこの「6.4」という数字は平均の数値であって、ところによっては斜度が10%を越える場所もあるという。この10%という数値は自転車乗りの間では最近「檄坂」と呼ばれている登板不能の坂道の一つの目安になっているらしいから、その急峻さをうかがい知ることが出来よう。

ともあれ、その頂点にたどり着いた。ちょいと後ろを振り返る。

Photo0001

これでは何のことかわからない・・・

もうちょっと下った場所から・・・

Photo0002

かなり遠くにかすむのは、葛城・金剛の連峰である。まあ、これもよく分からない写真ではあるが、少しはその急峻さがうかがえるであろうか・・・

ともあれ道はその頂点にたどり着いた。先に見えるトンネルを抜ければ・・・そこは宇陀の地である。そこに目的地、宇太水分神社はある。