大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

帰郷2013・・・4

蔵王連峰のシンボルともいえる御釜を拝することをあきらめた私たちはその最高到達点の標高約1600mから一気に1500m以上を下り、村田インターチェンジから再び東北自動車道に入る。今度は北上して、県北の大崎平野を目指す。

大崎平野は、かつてこの地域にあった県北の中核都市古川を核として周辺の町村が合併してできた大崎市を中心とした一帯をさす。ほぼ平行して西から東へと流れる鳴瀬川と江合川の度重なる氾濫により形成された真に肥沃な沖積平野である。古来、稲作が盛んであったと思われるこの地域は、今なお稲作がその中心的な産業であり、全国的にも米どころとして知られる宮城県内においても最大の稲作地帯である。かつてコシヒカリと並んで全国的に名をはせたササニシキもこの地域において改良された銘柄である。

村田インターチェンジから40分程車を走らせれば三本木のインターチェンジに至る。私たちはここで東北自動車道を降り、県道56号線から、国道4号線を目指す。

県道56号線は程なく国道4号線にぶつかるが、目的地はここを左折した先にある。けれども時刻が午後1時。そろそろ腹の虫も騒ぎ出してきた。昼食の時間だ。カーナビに従えば、ここを右折してまもなく道の駅がある。私たちはここを昼食の場に選んだ。

その道の駅の名は道の駅三本木やまなみ。そんなに大規模な施設ではなく、お盆が近いこの日、店内は混雑を極めていた。食券は購入したものの、私たちは暫しの間待たねばならなかった。15分程待って席が空き、私たちはようやく席に着くことが出来た。カウンターのおばちゃんに食券を渡し、席で待つ。程なく自分たちの番号が呼ばれる。

私が注文したものは卵かけご飯定食・・・ここでわざわざレポートする程のものではなかったが、後学のために・・・(笑)

ご飯はひとめぼれ、もちろん地場産である。米どころ宮城・・・それも、この大崎平野産である以上はまずいわけはない。まず、これが少々小ぶりの丼に一杯。それに卵が2個。なんでもこの地の名産であるヒマワリ油をその飼料に配合し育てた鶏の卵であるらしう。そんなに鋭敏な舌の持ち主ではない私であるから、日ごろ食している卵とどれほどの相違があるのかを感じることはなかったが、気のせいかコクが豊かなような気がした(まあ、気のもんですな)。

そしてその横にひかえていたのが、かけ蕎麦。通常、この種の定食についている蕎麦は小ぶりの丼に入っている場合が多いが、ここはしっかり普通サイズである。少々の揚げ玉、蒲鉾が1枚、それに葱。至極当たり前のかけ蕎麦である。ここに2個あった卵の1つを落とし月見そばとする。いつも食べなれた関西風の色の薄い汁のそれではない。東日本にお住まいの方ならばどなたもご想像できるであろうと思われる、醤油の色の濃いあの汁である。色が濃いと言っても決して塩辛いわけではない。醤油の持つうまみ、風味・・・そして甘みを充分に持った汁である。その好き嫌いは、まさしく生まれ育った環境もあろうし、日常の生活実態もあるわけだから、ここでとやかく言うことはできない。ただ、東北の地に生まれ育ち、今は長く関西に暮らす私はどちらも「うまい」と思って食べることが出来る。そしてその私が思うに月見はこの醤油の色の濃い(関西の口の悪い人に言わせればドブ汁のような)汁が合う。考えれみれば卵かけご飯にかけるのは濃口の醤油であって、薄口の醤油ではない。だったならば、薄口の醤油で作った関西風の汁よりも、濃口の醤油で作ったこの色の濃い汁の方が合うに決まっている・・・

・・・なんて、どこでも食べられるようなメニューに薀蓄を傾けるような愚はここまでにして、私たちは今日の昼からの目的地へと向かう。

国道4号線を西に車を走らせ、10分ほどして右折。広い田地の中に延びる農道へと入る。程なく農道は緩やかな丘陵地帯に突き当たる。1つだったか2つの丘を越えた私たちの視界に入ってきたのは、夏の青空にふさわしい強烈な色彩であった。

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どこまでも続くこのひまわり畑はひまわりの丘と名付けられ、6ha程の土地に42万本ものひまわりが植えられているという(ちなみに春には同じ場所に200万本の菜の花が植えられる)。一見してどこまでも続くかと思われるこの鮮烈な黄色の海はゴッホならずとも芸術的な創作意欲をかきたててくれる。あいにく私の手元に絵筆はない(あったところで、初めてクレヨンを持った幼児のいたずら書き程の絵しか描けないわけであるが・・・)。ということで、首にかけてある愛機PENTAX X-5のレンズを向ける。機械も機械であるが、それを操る私の腕も腕である。どうせ大したものがとれるわけではないが、絵筆をとるよりはましであろう。以下にその結果を2つほど示す。

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お粗末様・・・である。

それにしても暑い。昨日までは30度を越すことがなかった宮城であったが、この日の気温は33度。今私が勤めている奈良県奈良市都祁の地とさほど違いはない。こんな日、ビールも飲めぬまま、夏の青空のもとに長くいるものではない。私たちは大崎平野の一画の丘陵を覆い尽くした夏の色彩をしっかりの目に焼き付けて今宵の宿へと向かった。

冷たいビールが私を待っている・・・

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