大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

大安寺八幡宮

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大安寺の南門を出ると、その少し脇に南に延びる道が一本。ほんの100m先に何やらいわくありげな木立が見える。せっかくだからちょいと覗いてみようと思って足を運んだ.

木立に入ってすぐに右を見る。

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私はショートカットして、いきなり御堂の門の前に出たが、こちらかが正式な参道である。鳥居が一つ・・・いや、その先にかすかにもう一つ。向こうから順に一ノ鳥居、手前が二の鳥居だろう。

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門を抜けるとこんな感じだ。

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大安寺八幡宮である。

記録によれば、唐に遊学した大安寺の僧、行教がその帰り道に八幡様総本宮たる豊前の国宇佐八幡宮の参り、その神影を戴き、大同2年(807)に大安寺東塔の北、石清水房に祀ったのがはじまりで、、後に神殿を造営し「石清水八幡宮」と号して大安寺の鎮守神とした・・・と、いうと「何を言うか、石清水八幡は京都の男山に決まっているじゃあないか。」との声が聞こえてきそうだ。無理もない。男山の石清水八幡宮といえば、平安京の裏鬼門の守りとして重要視され、今もなお三大八幡のひとつ。知名度では比べ物にならない。

しかしである、この大安寺八幡宮の社伝によれば、この大安寺の八幡様が、石清水八幡宮であったという。そして、それが貞観元年(859)に信託によって山城男山へ移ったのだそうだ。けれども、当の男山の方はそんな話を肯んじてはいない。参考までに現在の男山石清水八幡宮のホームページにあるこの社の由緒書きを掲げてみよう。

南都大安寺の僧・行教和尚は豊前国(現・大分県)宇佐八幡宮にこもり日夜熱祷を捧げ、八幡大神様の「吾れ都近き男山の峯に移座して国家を鎮護せん」との御託宣を蒙り、同年男山の峯に御神霊を御奉安申し上げたのが当宮の起源

宇佐の八幡様から大安寺の行教が勧請したという内容は一致しているが、その年代が807年と859年と食い違っている。大安寺の側に立てば859年は大安寺から男山に移った年になる。男山側はその859年にこの社が始まったのだという・・・どちらが本当なのか、いやどちらも違っているのか・・・私は男山の方を持ちたいと思うが、皆さんはいかがであろう・・・

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何時のものとは知れぬが、本殿はご覧のように新しい。

けれども、その堂上の狛犬さんはそんなに新しくはない。この日手元にあったのは件のカメラ付きの携帯電話。これ以上近づくことはできない。

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そして、その御堂の下、ここにも一対の狛犬さん。

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私のようなものにはその様式からいつの時代のものとも計り知れぬが、なんとなく結構歴史のあるもののような気がする。私がよく参考にさせていただいている「奈良の寺社」というサイトでは「焼きのリッパな一対の狛犬は延宝5年(1677)の銘が有ります」との説明があるが、これが御堂の上のものなのか下のものなのかちょいとわからない。

ところで、八幡様という神様は応神天皇が神格化された神とされているが、古事記日本書紀などにはその関係が一切記されてはいない。天平20年(748)の9月、八幡さまは自らの出自に関して「古へ吾れは震旦国の霊神なりしが、今は日域(日本国)鎮守の大神なり」(『宇佐託宣集』巻二、巻六)と託宣している。また、豊前国風土記逸文には「昔、新羅国の神、自ら度り到来して、此の河原(香春)に住めり」ともある。どうやら朝鮮半島を経由をし、この国にいらっしゃった神であるといえる。

もともとは、北九州の豪族国造宇佐氏の氏神だったものが、数々の奇端を現して大和朝廷の守護神とされるようになった。歴史的には、様々な節目において託宣をよくし、その存在感を示している。下にそのいくつかを示してみよう。三つ目なんかはご存じの方も多いのではないか・・・

    • 養老4年(720年)南九州において、隼人の反乱をお越し、朝廷はこれを鎮圧しようとして宇佐八幡に神託を仰ぐ。すると八幡神は、「我征きて 降し伏すべし」との託宣が下る。実際に征討に赴いたのは武人でもあり、歌人でもある大伴旅人であるが、きっとその背後からは八幡様が後押しなされていたのであろう。

ところで・・・上の狛犬さんの写真をご覧になって「はて・・・?」と思われた方もいらっしゃるかと思う。一対の狛犬さんの奥に何やらたくさんの白い御着物が飾ってある。これは、左の狛犬さんの手前に移っている灰色の御着物と同じ鳩の置物だ。八幡様は安産の神様とされることが多く、この鳩の置物はこのお社の前で安産を祈願し、無事出産を済ませた後、その御礼として供えられているものだ。

・・・八幡様が安産の神様?・・・なんで、その御礼が鳩の置物?

なんて疑問をお持ちになる方もきっといらっしゃるだろう・・・そんな方は、次回の記事をご覧になると良い・・・

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