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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

浄瑠璃寺に行く・・・上

浄瑠璃寺は、京都府木津川市加茂町にある真言律宗の古寺である。本尊は薬師如来阿弥陀如来、開基はこの寺についての唯一の資料である浄瑠璃寺流記事に従えば、永承2年(1047)、義明上人が本堂を建立したのに始まると言うことになるが、天平11年(739)に行基によって開創されたという説もあり定かではない。

6月のとある週末の昼前、私はこの古寺のそれはそれは清らかな浄土式庭園で、その池の水面に揺らめく本瓦葺き、桁行11間の寄棟造・・・1107年築、九体の阿弥陀仏の住まわれる本堂を見つめていた。

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家を出たのは、まだ10時になってはいなかっただろうか・・・私は奈良盆地の東端を北へ北へと車を走らせた。天理の町を抜け、先日歩いたばっかりの和爾下神社や和爾の集落を右に見て、奈良市内へと至る。飛火野を抜け、春日の森も抜け、東大寺前の交差点を右折、一旦車を西に走らせることになるが、ほんの数分後にはまた北へと進路を変える。そこから10分も車を走らせればもうそこは加茂の地である。

みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ

中納言兼輔 新古今集

と歌われた「みかの原」の地である。浄瑠璃寺口という交差点で、これまで走ってきた京都府道44号を右に曲がる。道はいつしか東に向いていたので、ここで右に曲がると、車は今、南を向いて走っている。

先ほど梅美台の住宅街を抜けたあたりから周囲は全くの田園風景となっていたのだが、この交差点を曲がった後は一層その度合いを深め、この先にかくも人を惹きつける古寺があるのだろうかと少々不安になってくる。道はさらに小高い山を登る。両脇は鬱蒼とした木立が見えてくるが・・・やがてぽっかりとその木立が開け、古びた里が開けてきた。

土産物屋のような店舗の横に駐車場に車を止めて早速私は浄瑠璃寺へと向かった・・・といっても、1分も歩かぬうちにご覧のようなよく整備された参道が見えてくる。

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参道の端には、名も知らぬ小さな花々だ所々に咲いていて、少々汗ばむ陽気ではあったが山門までの少なからぬ距離を楽しく歩くことが出来た。そしてその参道の先には・・・

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実に可愛らしい山門である。生い茂る木立のせいで境内の様子はうかがい知れない。

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両脇にはご覧のような仏様がいらっしゃる。

思わず笑みが漏れる・・・そして、少しずつ期待は高まってきた。