大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

ちょいとした異変

お知らせするのが遅くなり、何をいまさらの感が無いでもないが、先週の木曜日・・・8月7日だったかな?・・・私の住む奈良県桜井市、三輪の地にて「ちょいとした異変」があった。

ただ・・・「ちょいとした」とは書いたが、それは今の世を生きる人々にとっての「ちょいとした」であって、これと同じことが、大和の地に都があった頃にあったのならさぞや大騒ぎになったであろう出来事である。そしてさらに遡り、纏向にヤマト政権の兆しが見え始めた時代であったならば、それこそ上を下への大騒ぎになったに違いない出来事であったに違いない・・・以下、その日の詳細を記す。

その日私は職場を少々早く出た(といっても、5分ほどだけれどね)。

勤務時間の終わりも近くなった頃、私の勤務地である奈良県奈良市都祁の地の空はにわかに暗くなり、その数分後にどれほど激しい雨が降って来るのかを容易に想像させるほどの様態を示し始めた。或る者が早速ネットで天気予報を見る。時間雨量90㎜近い雨雲が迫っているとのことであった。

ややあって・・・家の方からメールが一つ。とんでもない雷と雨風なので、移動が危険、勤務時間が終わってもすぐには帰らず、天候の回復を待ったらよかろうとの内容であった。私の住む桜井は都祁の地から西に位置する。高低差を考えなければ、桜井に今雨を降らせている雨はあと数分後にはここまでやってくる・・・・

ただ私は思う。これまでも繰り返し述べたとおり、都祁の地は標高500m前後の高地にある。我が職場に勤務する多くのものが居住する奈良盆地へは、どの道を通っても険しい峠道を下らなければならない。それも道の両側に断崖の迫る道だ。一定以上の雨が降れば土砂崩れだって起きかねない・・・そんな道だ。事と次第によっては、都祁の地は孤立し、家に帰れなくなる・・・待つよりは、出来るだけ早く職場を出るが吉と・・・

そんな時、我が職場の管理職は判断を下す。勤務終了の時刻にはなっていないが、職場を離れることも認めると・・・まあ、勤務時間の終了もあと15分後ぐらいの時であったが。

私は手元の仕事を手早く済ませ、車に急いだ。雨は激しくなりはじめていた・・・それが勤務終了の5分前である。

車を動かし始めると、ズルッと前輪が滑る感覚があった。駐車場が土の上に砂利を敷いたものだったので、先ほどからかなりの多くに達している雨量のせいかと思い、そのまま構わずに職場の裏口から外へと出た。道はここから舗装されている。ゴリゴリと嫌な音がする。ハンドルの自由がきかない・・・

パンクだ・・・

道は狭く、対抗もできないほどの幅だ。ここに車を止めていくわけにはいかない。仕方がないから、職場のぐるりを大きく回って、表門から再び職場に戻る。タイヤの交換だ。けれども雨は激しく降り続いている・・・

・・・なんてことを書くことが今日の目的ではない。先を急ごう。

結局、私が職場を離れたのは、それから1時間以上たってからのことだった。パンクしたタイヤと予備のタイヤとを入れ替えた私は家路を急いでいた。雨は、だいぶその勢いを衰えさせ、自動車の走行には何の支障もないほどにまでなっていた。道も・・・幸いなことに異常はなかった。

まもなく我が家と言う時であった・・・

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初瀬川の岸を西に進んでいる私が、大和随一の神山、三輪山の中腹に煙が上がっているのを見たのは・・・

おそらくはほんの1時間ほど前までこの地に鳴り響いていた雷鳴とともに地を激しく打ちすえた雷が、その神山の樹木の一本を直撃したのであろうか。幸いにも火の手は上がっていない。先ほどまでの雨で周囲が十分にしめっていたせいであろうか・・・

家に帰った私は、さっそくこの異変を家の者に告げた。家人は気づいていないらしかった。すぐさま表に出て三輪山を見る。

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先ほど南から見た時よりも分かりにくいが、確かの煙が上がっている。家人に言わせれば、雷光の直後に激しい雷鳴が鳴り響いたことが数度あったという。そのうちの一つがこの煙の原因となったのであろうか・・・

そうするうちに消防車のサイレンがいくつもいくつも聞こえてきた。消火に向かうらしいとは思われるのだが、どうやってあんな場所の火を消すのだろうか・・・

ややあって・・・パンクしたタイヤの修理のため修理工場に向かう私が大神神社の参道前を通った時、普段は車の入れぬ二の鳥居の向こうに幾台もの消防車が赤い灯を点らせながら止まっていた。

事の仔細は産経新聞8月9日の次の記事によられたい。

 7日午後5時ごろ、大神神社桜井市)のご神体として知られる三輪山の中腹に落雷があり、高さ約20メートル、太さ約1メートルのスギ1本を焼いた。県によると、住民が7日午後5時ごろ、119番。上部は地上から消火できなかったため、県の消防防災ヘリが8日朝から水を散布し、午前11時40分ごろに鎮火した。

三輪山はただの山ではない。その起源をたどれぬほど古くから、人々の信仰をあつめてきた山だ。朝廷の守護神でもある大物主大神大神神社祭神)の住まう聖なる山である。しかも、その神が事と次第によっては、この国の民に祟りなす神でもある。ここに落雷があり、その樹木の一本に火の手が上がったとするならば・・・太古の民にとっては捨ててはおけぬ大事であったはずに違いない。

はてさて、この現代人においては「ちょいとした異変」が、本当に「ちょいとした異変」で済んでくれればよいが・・・今のこの国が進んでいる方向を考えた時、何やら末恐ろしい思いに襲われるのは私だけであろうか・・・

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