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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

今週の三輪山・・・巻向川のほとりで

2月16日6時50分

写真は上記の日付通り、2月16日の通勤途中に撮影したものである。時刻は6時50分頃、まだ日は昇ってはいない。けれどもほんの数週間前まで、同じ時刻には薄暗がりの中に黒々とした三輪山の稜線しか見えなかったのだから、もう春はそこまで来ているのであろう。「紫雲たなびく」といった風情ではあるが、その朝日に照らされた雲たちにも、冬の冴え冴えとしたそれではなく、ほんのりとした暖かみも感じられるようになった。

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三輪の地では、2月初旬にある三輪坐恵比須神社において行われる新暦2月6日の「本えびす」の大祭のあたりが1年でもっとも寒い時期だといわれている、その「本えびす」から、もう10日もたったのだから、こんな春の萌しが感じられるのも当然といえば、当然のことだ。あとは・・・お水取りさえ終われば、大和にも本格的な春が来る・・・

写真を撮ったのは国道169号線を箸墓の手前で東にそれた巻向川沿いの細い堤防状の道。巻向川は三輪山北東、巻向山に源を発する川。今は本のささやかな流れとなっているが、太古の世にあっては豊かな水流が一帯を潤していたであろうと推定されている。そして纏向の人々は、その流れを通じて、海につながり、そして・・・大陸ともつながっていた・・・

また三輪山から巻向にかけてのあたりは、古来大和王権において聖なる地域と考えられていたふしも見られ、万葉集にも数多く詠まれており、巻向川もまた例外ではない。歌聖柿本人麻呂も次のような秀作を残している。

ぬばたまの 夜さり来れば 巻向の 川音(かはと)高しも あらしかも()き(万葉集七・1101)