大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

春日大社に行く・・・中

一の鳥居から奈良国立博物館仏教美術資料研究センターまでは大方500m。二の鳥居まではあと700mほど。参道の両脇には大きな石灯籠が見え始める。はじめまばらに・・・そしてだんだんとその立ち並ぶ幅は密になってくる。

年に数度、一斉に灯がともされるそれらには、新しい我々もよく知っているような企業名が彫り込まれた新しいもの、またあるいは「大阪 ○○町××商 △△屋○○兵衛」などと彫り混まれたいかにも歴史を感じさせるものが入り混じっている。それらの一つ一つを読みながらこの聖なる道をゆっくりと歩むのもなかなか楽しいものだ。

中には「奈良そごう」なんて、今はもう無くなってしまったデパートの名が彫り込まれたものもあり、思わず栄枯盛衰の感に浸ってしまうようなものまである。

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さていよいよ二の鳥居である。もちろんここまでも聖なる地であったには違いないが、さすがにこの鳥居をくぐるとちょいと空気が変わってくる。春日大社の神山である御笠山が間近に迫っているのだ。

 

 

 

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春日大社は今、20年に一度の式年造替の真っ最中。南門もご覧の通りのまっさらな美しさを誇っている。人によっては古寺、古社の補修され、かようなきらびやかな状態あることを好まないような方もいらっしゃるが、これが本来の姿で有り、それらの寺社を造立した人々の意図もそこにあるはずだ。それに・・・青い空を背景に、深閑たる木立の中に聳え立つこの壮大な古社の姿は、むしろ清々しい印象さえ覚える。

 

ところで、「20年に一度の式年造替の真っ最中」と上に書いたが、今回私が春日大社を訪れた理由もまさにそこにある。

IMGP4588春日大社はいつもならば南門をくぐり抜けた幣殿・舞殿越しに本殿を参拝することになっている。そして本殿はいつもは御廊に囲まれていてその姿を拝することは出来ない。よしんばいくばくかの特別拝観料を納め幣殿・舞殿の中に入ったとしても、行けるのは御廊中央にある中門までで、ここからも本殿を拝することは能わぬ。

けれども、今、この中門の中まで足を踏み入れ本殿を直接祈りを捧げるチャンスなのだ。今回の式年造替に際して国宝であるこの本殿が特別公開されているのだ。

本来ならば、そこは尊き神の住まう聖なる館。我々のようなものが直接拝することは不敬きわまりないことなのだが、実は今、この本殿に神々はいらっしゃらない。式年造替においては当然その主たる事業は、この古社の中核たる建物の本殿の改築である。となれば、まさか大工作業をしている真っ最中に、そこに神々にお住みになっていただくわけにはいかない。ゆえに春日の神々は今、本殿横に設えられた御仮殿(移殿)に仮住まいをしていらっしゃっていて、本殿にはお住まいになっていないのだ。

もぬけの殻の本殿なれば何も畏れ多いことはない・・・ということで、その拝観が5月の末まで許されているのだ  。20年位一度・・・そんな機会を逃すわけにはいかない・・・そんな思いで私はこの場所にやってきたのだ。

次回はいよいよ・・・その聖なる地に足を踏み入れる。乞う・・・ご期待・・・である。