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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

法隆寺に行く・・・5

大和のこと

大講堂の薬師三尊像と四天王像をお参りした後は、西院伽藍の南東の隅にある出口からすぐ隣にある聖霊院へと向かう。西院伽藍とその外を画する回廊のにしたがってゆっくりと南へ歩く。緩やかな曲線を描くエンタシスの円柱が一列に並んだ様の美しさはこの上もないもので、これをうまく表現する言葉を持たぬ事がもどかしくてならぬ。

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そして私のこの法隆寺で最も気に入っている構図がこれだ。

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西院伽藍の北東の端から西南を見たとき、(亀井勝一郎の言葉を借りれば)「地に伏すごとく建てられた」金堂の向こうに「幸福の象徴」の如くに見える五重塔が「天に向かってのびやかにそそり立」つ姿が1つの視野の中で統合される・・・この構図が何とも言えず好きだ。苦悩に満ちた「地」の向こうには御仏のおわす天上界へとつながる一筋の光が見えるような気がしてならない・・・

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西院伽藍を出れば次に訪ねるべきは隣接した聖霊院だ。平安末期から鎌倉時代にかけての太子信仰の高揚を受けて、聖徳太子の尊像(平安末期)にお住まいいただくために東室の南端部を改造したのがこの聖霊院だ。靴を脱ぎ上に上がらせてもらうと、その奥には3つの厨子がある。扉は固く閉ざされてはいるが、その中には中央の厨子に聖徳太子45歳の像、左の厨子には太子の皇子である山背大兄王と殖栗王の像、右の厨子には太子の兄弟である皇子の卒末呂王と高句麗の僧の恵慈法師の像(いずれも国宝)が祀られている。いずれも秘仏であり毎年3月22日のお会式(聖徳太子に命日)の時にしかお会いすることが出来ない。したがって今日は扉越しにそこにお住まいになる方々の遺徳を偲びこの国の安穏を祈る(いつもならここで世界平和をお祈りするところだが、今日のこの国の状況を見たときにとりあえずはこの国の安穏をお祈りしなければと思ったのである)。