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大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

三輪の御山の酒祭り(後)

拝殿内の準備もおおかた済んだ頃、あちらこちらの蔵からいらっしゃった醸造関係の方々が入場。祭礼はいよいい始まる。

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禰宜たちの入場が完了すると斎主と思しき方が祭壇の横手から御山の方に向かってなにかしらごにょごにょと唱える。どうもこれから祭礼れに参加する人々のお祓いをするための御幣に向かって祈っているようだ。他の禰宜や楽人たちも起立し頭を下げている。この角度では見えないが、禰宜たちと対面して座っている醸造関係の方々も当然の如く起立し頭を下げている。

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写真を見ておやっと思われた方もいらっしゃるかなと思うが、ここからしばらくの写真は拝殿の縁の部分にはみ出て中には入れなかった醸造関係者の方に中の様子が分かるように設置されたモニターを写したものである。私のようなものは当然この拝殿の中には入れないから、外からレポートするしかないのだが、やはり中でどのようなことが行われているのかを、どうにか皆さんにお伝えしたい・・・と思っていたら、他の参拝客に押され押されてこのモニターが良く見える場所におさまったのだ。

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先ずは禰宜たちのお祓い。

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そして今回の主役の醸造関係の方々・・・

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禰宜が祭壇の左前に二人並んで座る。いったい何が始まるのかと思っていたら神饌の奉納がはじまった。お祓いが終わったぐらいから、荘重な雅楽の調べが殿内には流れている。

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神饌は禰宜たちによって、手渡しで神前まで運ばれる。その数・・・十ぐらいであろうか、厳粛に時間をかけて丁寧に受け渡される。そしてそのすべてが配置されて・・・

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祝詞の奏上である。ここで雅楽の調べは止む。

にぎやかに盛り付けられた神饌は拝殿の一番奥まった・・・つまりは御山に一番近い場所に拝されるが、その手前に斎主と思われる禰宜が座り、おもむろに祝詞を読み上げ始める。場所が場所なので、その御声は私の耳にはとどかない。詳しい方ならばこんな時にはなんという祝詞を唱えているのかはご存知なのだろうが、私のようなものにはいったいどの祝詞を唱えておられたか・・・皆さんにお伝えできない。

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祝詞が終わった後、写真のような黒塗りの台が並べられる。上にはご覧のような赤い布が四つ置かれている。他に何かある様にも見えるのだが、これがどうにも判別できない。それがいったい何なのか、やきもきしながら見つめていると

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殿内に再び流れ始めた雅楽の調べにあわせ、お神酒を捧げ持った見目麗しき巫女さんが何処からともなく静々とあらわれてきた。総勢4名。すべての巫女さんがお神酒を祭壇に捧げるそしてその代りに・・・秋程の黒塗りの上にあったなにものかを手にする・・・

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すべての巫女さんがお神酒を祭壇に捧げるそしてその代りに・・・秋程の黒塗りの上にあったなにものかを手にする・・・そして舞ははじまる・・・笛や箏の音に合わせて「この御酒は わが御酒ならず 倭なす 大物主の醸みし御酒 いくひさ いくひさ」という歌に合わせて・・・・

なんでも「うま酒みわの舞」というんだそうな・・・

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ここで分かった。先ほどの黒塗りの台の上にあったものが・・・赤い布は、杉の小枝に括りつけられていたのだ。普通ならば、榊の小枝ということになるのだろうが、ここは三輪山。やはり杉・・・ということになるんだろう。ただし、いつも杉の小枝ではないらしく、なんでも奈良市内にある摂社率川神社では6月に行われる三枝祭にてこの舞が舞われるのだそうだそうだが、その際に手にしているものは・・・はたして・・・お知りになりたい方はこちらをクリック。

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舞が終わると、巫女たちは持って来たお神酒の入った瓶子を持って神前から下がる。禰宜たちが一同討ちそろって神前に並び・・・何やら祈りを捧げている。

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そして最後、お集まりの醸造関係の方々の代表による玉櫛の奉奠である。

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これにて、この冬・・・仕込みの季節の安穏は保証された。

この祭礼の後、各地からお集まりの醸造関係の方々には大神神社より「しるしの杉玉」が配布される。酒蔵の守り玉である。

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それらは大方直径が4~50cmのサイズのものが普通であるが・・・大神神社はさすがにその相元締め・・・尋常ならざる大きさの杉玉がぶら下がっている。

写真の建物は拝殿の北側につい最近(といっても10年以上はまえだったかな?)出来たばかりの参集殿(手前のテントの下の野菜はこの際気になさらないでほしい)。ここの軒先にそれは・・・ある。

直径は・・・そう・・・1.5mはあるだろうか。比較するものあないのでわかりにくいが、とにかくびっくりするほどでかい・・・新聞によれば、この杉玉は祭礼の前日、11月13日に新しいものと取り換えられたそうであるが・・・これから1年の間は、この杉玉がこの国の酒造業の安穏を保障し続けることになるのである。

最期に・・・今日はちょいと気張って、前々回ご紹介した高橋活日いくひを祀った活日神社まで足を延ばしてみた。

写真のような斜面を上らねばならぬゆえ、日頃は滅多に訪れない場所ではあるが、今日は一年に一度の大事な日。こんな日に参らずして参る日はなかろう・・・ということで頑張ってみた。

そして私は・・・これからの1年美味しくお酒が飲み続けられるよう、そして出来るだけ美味しいお酒に巡り合えますよう・・・敬虔な祈りを捧げた。

私のブログをお読みになっていらっしゃる皆さんの中ではごくごく少数派ではあるかと思う(笑)酒のみの皆さんは、是非ともこの写真に御祈りを捧げてはいかがか・・・