大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

私の読書遍歴・・・「日本の歴史」中央公論社

東北の海辺の一寒村に生まれ育った私が大和の地に出て来て、すでに30年を越えている。それどころかあと数年たてば大和で過ごした日々が、郷里である宮城で暮らした年月に倍するようなところまできた。

・・・いったい自分は何に惹かれてこの地にやってきたのか・・・

以前、このブログにおいてきわめて雑然とした形で、この点に触れた覚えがある。この間述べたようにそれらの記事は度重なるブログの引っ越しの中で整理され、今は私も見ることはできない。これから述べようとすることは、ひょっとしたらその中で述べたようなことのように思えてならないのだが・・・・まあ、いいさ・・・とばかりに、今書き始めている。ネタ不足の今日この頃、このぐらい目をつぶってもらえないと、ブログの更新が滞って仕方ない。

・・・別にそれでもいいんだろうけれど・・・・

ということで、つらつらと我が人生を思い返すに、我が家を取り巻く家庭の環境に触れざるを得ないのだが、環境がいかにあれ、私自身に大和に惹かれるべき内的要因がなければ、今のような事態には至っていない。ならば、その内的要因とは・・・

それは大和への憧憬、とりもなおさず古代への憧れといってよい。そしてその古代への憧れを生じせしめたのが中央公論社「日本の歴史」であった。ちょいとお年を召した方で(少なくとも私よりも)、歴史に興味をお持ちの方ならばご存知の方も多いかと思う。ある意味歴史的名著といって間違いはない。その執筆陣を一部だけ示すならば

井上光貞 直木孝次郎 青木和夫 北山茂夫 林家辰三郎 奈良本辰也 井上清・・・

齢50を越え、幾分なりとも人文の学を修めた今、これらの名を見て思う。

綺羅、星の如し

とはまさにこのことであると・・・私のように歴史学に疎い人間であっても、どこかでその名をうかがい、どこかでその著書の学恩を蒙っているような方々ばかりである。まさに中央公論社(今は読売の傘下となってしまっているが)の面目躍如と言ったところか・・・1960年代に刊行されたこのシリーズは、上にも記したように歴史における各分野の専門家による本格的な概説書であって、今日においても、新版文庫で重刷している。出版が始まって大方50年。その後、様々な発見や、学説の進歩があり、いささか古びてしまった感は否定できないが、日本の歴史を知ろうと思うものにとって今もなおその輝きを失っていないがための文庫化、重刷であろう。

と、ここまで書き記してきて、正直に告白しなければならない。私は二十数巻に及ぶこのシリーズのすべてに目を通したわけではない。初めの3巻までのみだ。だから、この世にも知られた名著群のすべてについて語ることは私にはできない。それどころか・・・その初めの3巻だって・・・

第1巻  神話から歴史へ   井上光貞

第2巻  古代国家の成立   直木孝次郎

第3巻  奈良の都               青木和夫

その内容を語れと言われれば、はたと困ってしまう。なにせ、これらの書物に触れたのは、多分小学校の高学年から中学校にかけて・・・もう40年近くも前のことだ。どうにも記憶があいまいでならない。もちろんこれらの巻々は何度も何度も読み返した。それゆえ、それを読んだ年齢もあいまって、一つの知識としてというよりも、自らの歴史的感覚の基盤として私の中に深く沈殿してしまったのだ。なにかしら、そこにある知識は以前から知っていた事実であるかのように思え、そこに書いてある一つを取り上げて、あれこれと批評するなどどうにもかなわぬことなのだ。

では、なぜこの3巻なのか・・・簡単な理由である。我が家にはその3巻しかなかったからである。そして、ご存知のようにこれらの3巻に描かれている歴史の舞台は・・・

そう、大和である。

父がこれらの書物を贖い、私の目につく書架においていなければ・・・

小さいころからNHKの大河ドラマを親とともに見て、昔のことに少なからぬ興味を持っていた私は、その興味の矛先をどの時代に向けても不思議はなかった。それが、その矛先が古代・・・大和のみに向けられるようになったのは、この3冊があったからに他ならない。

そして、その幾年かの後、私は大和の地に起居するようになっていた。そして、30年、大和の片隅で毎夜、かくの如き駄文(駄弁?)を弄している。


と、ここまで書いて、どうにも気になって以前の記事をいくつか読み返した。すると、あるではないか。同じネタで書いている文章が・・・それもそんなに前ではない。

2010年12月20日の記事だ。

どうにも、情けない話である。けれども、今回の記事は”私に影響を与えた書物”ということに焦点をおいて書いている。12月20日の記事とはそこに若干の相違を持つ。よって、今回の重複を了とせられたい。