大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

なら燈花会にいった。

よく整備された芝生の上に、白い紙コップが散乱している。あるものはすっくと立ち、またあるものは行儀悪く寝転がっている。

いったいこれは・・・何か?・・・

ほんの数時間後、暗闇に包まれたこの草地に紙コップは・・・・

こんな感じに光を放っている。

場所は奈良は東大寺の南、新公会堂の西正面に開けた・・・浮雲園地・・・

そう・・・まさしく、これは「なら燈花会」のそれだ。今から20数年前から始まった古都奈良の夏の風物詩である。

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盆地であるがゆえに、この奈良の地の夏は暑い。今年も連日のようにうだるような日が続いている。ところが、こういった古都ゆえ見るべきものは散在し、しかもそれらを結ぶ道は歩くには適してはいるが、涼しく自動車で移動するためにはいささか不便である。当然、移動は夏の厳しい日差しの中、一日中歩き続けることになる。

結果、どうしても観光客の足は夏になると遠ざかってしまう・・・。観光都市奈良としてはゆゆしき事態である。そう言った事態をなんとかしたい・・・そんな思いからこの「なら燈花会」は始まった。

以来、家族とともに来る夏ごとに足を運ぶことにしている。もちろん、何回かは抜けたことがあるが・・・

再び一番上の写真を見てもらいたい。そこにはこの催しごとにかかわる多くのボランティアの格闘の跡がある。この紙コップのような白い筒はもちろんその燈火をともすためのものであるが、午後2時ごろに集まり始めたボランティアの方々はそれぞれの任地においてこの筒を並べ始める。その数およそ2万本。一心に彼らはこの白い筒を並べ始める。ところが綺麗に並べたその白い筒を蹴散らしてしまう愚か者がいる。

・・・鹿さんだ・・・

聞くところによると、鹿さんはこの筒の中に仕込まれた燈火のためのろうそくを狙うという。私ども人間には分かりかねるが、あのろうそくの匂いには鹿さんを引き付けるなにものかがあるのであろう。けれども、それにめげることなくボランティアたちは筒を並べ続ける。

そして夕刻・・・

灯はともり始める。いったん火が入り始めると、鹿さんはもう近寄ってはこない。