大和逍遥   

別に運営している「三友亭雑記」というブログのバックアップである。

たまには文化の香りを・・・

今日は文化の日。少々文化的なものに触れたくなって昼食後、車を飛ばした。

といっても、その時間はわずか15分ばかり。目的地は隣町の天理市。車を止めてほんの1,2分。

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天理図書館・・・私の母校の付属図書館だ。全国でも有数の規模のこの図書館は、わが母校の自慢でもある。もちろんその優れた蔵書に応じた学というものが私の中に形成されているかははなはだ疑問ではあるが、私も学生の自分にはこの図書館にははなはだお世話になったものだ。

なんといってもクーラーが入っていた。夏のどうにも過ごし難い日などこの図書館なしにはしのげるはずもなかった。その休憩室にはジュースの自動販売機。カップヌードルの自動販売機・・・朝から夕刻までの時間を過ごすには、なに不自由ない・・・

・・・とこんなことを書くために今日の稿を起こしたわけではない。

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 この度、近世の文化を彩った学者をはじめ、俳人・戯作者・画家等々を、「文人」として50 人を精選し、紛うことなき自らが記した著作の稿本・書簡・日記などをご覧いただきます。これら自筆のモノは、学問の上ではむろん第一等の資料として尊ばれるところであり、この人たちを深く知るには必見の資料であります。個性溢れる筆癖の中に、あるいは朱墨をもって縦横に施された推敲の跡に、印刷本では窺えない人柄の一端でも思い浮かべ得るかもしれません。

とは、今回の特別展の説明である。詳しくは上記天理図書館のHPを参照せられたいが、近世の著名な文人たちの自筆原稿が一気に公開されているのだ。その顔触れは・・・

 藤原惺窩  熊沢蕃山 伊藤仁斎 新井白石 荻生徂徠 雨森芳洲 頼 山陽  佐久間象山 吉田松陰 契 沖 荷田春満 賀茂真淵 本居宣長 平田篤胤北村季吟 井原西鶴 松尾芭蕉 近松門左衛門 与謝蕪村 上田秋成 滝沢馬琴  橘 曙覧 松平定信 渡辺崋山 井伊直弼

どうだろうか。もちろんこれがすべてではない。その名を聞いて私がその事跡がピンとくる名だけをあげている。「錚々たる」とはまさにこのような顔ぶれをさしていう語であろう。

中でも私の専門からして、賀茂真淵本居宣長といったあたりが特に興味深かったが、何度も書いては消し、さらにその上から書き込む・・・そんなあくまでも最後まで最善を残そうとする賀茂真淵の「万葉考」。整然と整えられ、もはや改稿の余地のない所まで練りに練り上げたものを世に示そうとした本居宣長の「古事記伝」・・・

それぞれの姿勢というものがその字面から透けて見え非常に面白かった。

芭蕉の「野ざらし紀行」も・・・趣の深いものがあった。

活字では窺い知れぬ筆者の思いがそこには居並んでいた・・・・